美容学校に通うことの意味がわかった日

2021年の夏、私は、突然「美容師免許を取るために私は、美容学校に行く!」と決め、その年の秋入学をした。通信での資格取得は、3年掛かる。

当初はよく言われた‥

「すごいね!その歳で、チャレンジすごい!」

逆に「今さら、そこまでしなくても‥」と家族等に言われた。

いや、私は、ヘナセラピストととして、堂々と自信を持って、その分野に関わりたいと思い、まずは資格取得をするんだ、と意気込んで入学をした。

2023今年の秋で、3年目に突入。そう、いよいよ国家試験に向けての技術練習も佳境に入って来た。

それまでは、楽しんでやっていたけれど、試験の基準に技術と時間制限で仕上げるという、ハードルが高くなって来た。その上、この秋には、腰痛のため、欠席の回数も増え、皆からの技術の遅れを感じ、焦りも出始めた。

腰も中々治らない時期は、「私、なんで美容学校に行き始めちゃったんだろう」とか「そもそも美容師免許必要?」とか「美容学校行く必要あるのかな‥」なんとまぁ、マイナスの考えが出るわ出るわ笑

私は、この夏ころから、美容学校で、訪問美容・福祉美容の科目も取り始めていた。いわゆる介護施設や福祉施設で、美容師として訪問し、利用者さんカット等のお世話をさせて頂くための“初任者研修”の授業。

この講座は、通常の美容の授業とは別に、私達通信生の希望者以外に通学生(皆んな若い!20歳くらいかな、7人)その他に一般の方、プロの美容師さんも何人かいらした。立場や年齢の幅も大いに違うなか(年齢の幅を広げてるのは紛れもなく私!笑)介護の現状や人間の尊厳を大切に如何にその方の人生に関わるか、ということまで講義を聞かせていただいた。

半年間の講義を終えた先日、初任者研修の試験は、筆記と、この半年間の講座の振り返りを皆んなの前で発表することだった。

筆記試験は、とにかく丸暗記で頑張った。若い方達の記憶力に負けていられない、必死〜笑

逆に振り返りについては、介護についても私はそこそこ人生経験もあるし、若い方たちはどうなんだろう、と思って聞いていた。

私の偏見が少しあったことを反省。

若い方達の振り返りは素晴らしかった。見た目は(失礼!)若いから今どきのファッションで(おばさん的発想w)お化粧も上手でピアスも色んなところにいくつもついている子もいたりする。普段の生活では、出会えないだろうし、〝本音〟を聞く機会はなかっただろう。

最後は、とても素直な感想にすごく生きるエネルギーみたいなものを感じさせてもらった。すごい感性の持ち主さんもいて驚いた。

20歳の子達から見たら、私なんぞ、親御さんよりもずっと上で、下手したらおばあちゃん!?普通に(笑笑)そして、その子たちと友達になっている私(笑)

思い返すと、美容学校に行き始めたことで、新しい生活サイクルが生まれたこと、通勤通学の満員電車で通う、駅から学校まで思い荷物持って歩く、時には泊まりで通学する、今まで会えなかった学校近くの友人に会ってご飯を食べたり、美容学校の同期生には、その他に外国人の方がいたり、そう高校生の子達もいる。色んな世代の方達と友達になって、同じフィールドで、分かち合い、助け合い、時にライバル!?こんな感覚をこの歳で味わっている。

私は、資格が欲しい!と飛び込んだ世界だけれど、本当は、『そのプロセスを味わいたかったんじゃないか!!』

そこに気づいた!

だって、ほんとに楽しい!人との出会いが楽しい!

美容師の資格は、もちろん欲しいけれど、なんだかそれは、ちょっと横に置いて、私にとって有り難い経験をさせてもらってることに、感謝して楽しんでいくこと、そして意外に私は、髪に関わる事をするのが好きなんだなぁと改めて感じている。

試験は、来年の夏。

合否のために練習を突きつけられたら、こんな悠長にはいられないかもしれないけれど、私は、今、この体験をしたくてここにいて、それを思いっきり楽しむことに没頭しようと思った。

そして、

欲あらば、こんな年齢のおばさんが、髪振り乱して、老眼鏡掛けて、腰を痛そうに、それでも頑張ってる姿を見て、少しでも、若者の元気の助けになれたら、尚、本望だなー