弥勒菩薩と東大寺大仏

4月初め、京都奈良に行くチャンスがやって来た。夫が一泊で出掛ける旅に便乗した形だ。

夫は、これから四国お遍路さんに行く予定。そのためのプレお参りの旅である。基本徒歩で回るので、私は、交通機関を利用して、私が行きたい場所に自由に回る。

こんな時間を持てたことに夫に感謝。

以前から、〝会いたい〟と思っていた仏像があった。

初めて、弥勒菩薩を前にして、私は、涙がぽろぽろ出て来てびっくりした。

しばらく、じっと見つめていた。

仏像を前にして、涙したことは初めてで、何とも言えない安心感と、記憶としては薄れているけれど、何か会話を交わしたような気がしている。とても温かくて、包まれていて、しばらくこの場所から離れたくない感覚だった。

〝お会い〟出来て、本当に良かった。

そして、ここを後にして、次にお会いしたい仏像に向かった。

東大寺

こちらに来たかったのは、お礼を伝えたいことがあった。

5,6年前、夫がかなり色んなことを悩んでいた。会社のこと、自分自身のこと、不調な時期だった。この時もたまたま奈良に来ることになり、こちらの大仏さまにお参りに来たことがあった。

私は、夫を支える気持ちと不安と自分の中の怒りと色んな感情に振り回されていた時期でもあった。

その時、ふと見上げたおっきな大仏さまが、私に

「大丈夫だよ」

「心配いらないよ」

と、語りかけてくれたのだ

あの大きな半分開かれた目から、そんな言葉が聞こえて来た、と感じた。

それをすごく信じる、とか、それだから絶対大丈夫、とか、変に力が入った訳ではないけれど、とても安心したことを覚えている。

今回、また夫婦で元気に奈良京都の旅に来れたことを、こちらの大仏さまにもお礼をお伝えしたいと思ったのだ。

この日、以前と同じこの位置から、見上げて、感謝を伝えた。

大仏さまは、それがどうした?くらいの反応だった気がする(笑)

やっぱり、大仏さまは、おっきい!存在自体も。

夫は、あれから現在に至るまで元気になって、その後、社会的立場を譲り、自分の生きる道を歩くことを決めた。本人的には決死の覚悟で、お遍路に行くつもりなんだということも今回の旅で知った。

この大仏さまのことは、夫は、一切知らない。今回、お礼を言いに来たことも知らない。

本殿を出て、空を見上げたら、すごい雲‥

龍‥

この写真を取ったところで、携帯の充電が切れた。

翌日には、奈良公園の中の浮見堂にて、こちらの雲にもご対面

鳳凰‥

私が見て、感じることを大切にしたいと思う‥